2025年1月21日

Word書類に電子署名する手順:固定版の作成から保存まで

Word書類に電子署名する手順:固定版の作成から保存まで

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Word契約書への電子署名を、内容の確定、PDFなど固定版の作成、署名者・認証方法・順序の設定、送信後の受け渡しと保存に分けて解説します。

はじめに

Word で作成した契約書に電子署名を付ける場合、最も重要なのは署名ボタンの操作ではなく、編集を終えた版を一つに確定することです。変更履歴やコメントが残った Word ファイルをそのまま回覧すると、署名者ごとに表示が異なったり、署名依頼後に内容が更新されたりして、どの契約条件に合意したのか分かりにくくなります。

売買契約書など、表示された条項を当事者が確認する文書では、Word で内容を確定し、PDF などの固定版を作成してから電子署名フローへ登録する方法が扱いやすいでしょう。元の Word ファイルは編集・作成根拠として保存し、署名済み成果物とは分けて管理します。

この記事では、内容の確定、固定版の作成、署名者と順序の設定、送信後の受け渡しまでを実務の順に説明します。

契約書の内容を確定する

署名用ファイルを作る前に、契約当事者、取引条件、承認状態を確認します。売買契約書なら、少なくとも次の項目を点検してください。

  • 当事者の正式名称と所在地
  • 対象商品・サービスと数量
  • 価格、通貨、税、支払条件
  • 納品・検収条件
  • 契約期間と更新・解約条件
  • 責任、秘密保持、知的財産などの主要条項
  • 準拠法、紛争解決、通知方法
  • 別紙、仕様書、見積書の範囲
  • 署名者と社内承認者

法務レビューや社内承認が完了したら、変更履歴を確定し、未解決のコメント、仮文言、空欄、ハイライトを取り除きます。変更履歴を非表示にするだけでは、変更情報がファイルに残ることがあります。提出用ファイルに含める情報を意識して、文書の検査機能も利用してください。

契約書には案件 ID と版番号を付け、誰がいつ内容を確定したかを記録します。署名依頼後に修正が必要になった場合は、同じファイルを上書きせず、新しい版として再承認します。

固定版の成果物を作成する

確定した Word ファイルから、署名対象となる PDF を作成します。PDF 化は内容を承認した後に行い、変換後のファイルを別の PDF ビューアで開いて確認します。

確認項目は次のとおりです。

確認項目確認する内容
ページページ数、順序、空白ページ、改ページ
文字フォント、文字化け、行送り、脚注
条項条項番号、相互参照、目次、別紙参照
条件当事者名、金額、日付、契約期間
添付別紙や仕様書が正しい版か
署名欄人数と役割に合い、本文を隠さないか

Word と PDF には共通の案件 ID と版番号を付けます。厳格な文書管理が必要な場合は、それぞれのファイルハッシュを記録して同一性の確認に使えます。ただし、DOCX と PDF は異なるファイルなので、ハッシュ値は一致しません。

PDF を作った後に Word を変更したら、その PDF は承認対象ではなくなります。新しい版番号で PDF を作り直し、表示確認と承認を再度行います。

Word ファイルを直接署名対象にすることも技術的には可能な場合がありますが、相手方の環境、再計算やリンク更新、文書内部の情報、利用する署名方式を確認する必要があります。どの形式を選ぶかは、何を承認・保存したいかに基づいて決めてください。

署名者、認証方法、署名順序を設定する

固定版を署名フローへ登録したら、契約上の署名者と社内の権限を確認します。電子証明書や本人認証で個人を確認できても、その人が会社を代表して契約を締結できる権限まで自動的に証明されるとは限りません。必要に応じて、代表権、委任、社内承認を別途確認します。

設定時には次の項目を明確にします。

  • 署名者の氏名、所属、メールアドレス
  • 各署名者の役割
  • 署名または承認の順序
  • 本人認証の方法
  • 署名欄、日付欄、必須入力欄
  • 完了期限とリマインダー
  • 辞退や差戻しが起きた場合の処理
  • 完了後の返却先と保存先

複数当事者の署名順序に法律上の一律の正解があるわけではありません。契約条件、社内承認、取引慣行、システムの運用に応じて決め、変更する場合は理由を記録します。

署名画像を表示する場合は、条項や金額を隠さない位置に配置します。署名画像は視覚的な表示であり、本人認証、対象文書との結び付き、改変検知を担う電子署名の仕組みとは区別します。

送信前に文書と設定を点検する

送信前には、登録したファイルが確認済みの固定版と同じかを確認します。文書 ID、案件 ID、版番号、ページ数、主要条件を突き合わせ、署名者と順序も別の担当者が確認すると取り違えを減らせます。

次の状態では、署名依頼を送らないでください。

  • 変更履歴やコメントが残っている
  • PDF のページや表が崩れている
  • 当事者名、金額、日付が承認記録と異なる
  • 別紙が欠けている、または版が違う
  • 署名者や送信順序が誤っている
  • 署名欄が本文と重なっている

送信後に内容の変更が必要になった場合は、回覧中または署名済みの成果物を直接編集しません。依頼を取り消し、Word の新しい版を確定し、固定版の作成からやり直します。旧版の依頼記録と取り消し理由は残し、新しい文書 ID に関連付けます。

署名完了後の受け渡しと保存

すべての署名が完了したら、署名済み PDF、署名者、日時、認証イベント、監査ログ、必要に応じた検証結果を取得します。完了通知だけでなく、保存したファイルを実際に開き、署名検証ができることを確認します。

管理する記録の例は次のとおりです。

  • 確定した Word ファイル
  • 署名依頼時の未署名 PDF
  • 最終的な署名済み PDF
  • 案件 ID、版番号、文書 ID
  • 社内承認記録
  • 署名者と署名日時
  • 認証・署名イベントの記録
  • 監査ログと検証結果
  • 取り消しや再送がある場合の履歴

署名済み PDF は編集用フォルダで上書きせず、組織が定めた契約管理システムや文書管理システムへ正本として保存します。元の Word ファイルと署名済み成果物は、同じ案件 ID で結び付けつつ、アクセス権を分ける方法も有効です。

Nota Sign では、固定した契約書を登録し、署名者、順序、認証方法、署名イベントをワークフローとして管理できます。どの署名方式が契約に適切か、契約が法的に有効かをプラットフォームが自動判断するわけではありません。文書の種類、当事者、合意した方式、適用法令、社内方針に基づいて選定してください。

まとめ

Word 書類の電子署名は、内容確定、固定版作成、署名設定、受け渡しの順に進めます。編集可能なファイルと署名済み成果物を分け、同じ案件 ID と版番号で関係を残せば、契約条件と署名証跡を後から一貫して確認できます。

よくある質問

Nota Signは企業のコンプライアンスに対応した契約ワークフロー構築を支援し、当社のコンテンツは厳格な編集ガイドラインに従っています。

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